美輝の日記

転職や移住しての生活、日々の雑記です。北海道のどこかの町で。

ストレスに身を置くことで気づく

転職して1ヶ月。日々試行錯誤しながらも、大切にしたい価値観に沿って、実現したい未来のために働いています。

 

ですが、一年前は違和感を覚えつつも転職しようなどとは考えていませんでした。

そのときは生活を基本的に変えないまま、プライベートで大学院に行こうかなと調べたりしていました。でも、大学院に行ったところで肩書が増えるだけなのでは?と思い、起業スクールのほうが実践的で学びになると考え、起業スクールに参加することにしました。数十万円の授業料を払って。

 

起業スクールでは、3ヶ月以内での事業化を求められ、毎週3時間の講義受講、自身の人生の振り返り、ビジネスモデル研究などの課題が出され、受講生同士や知人など他の人を巻き込んで進めていくことになりました。小さくてもできることから始めて事業化しなければと思う一方で、周囲の人を巻き込む以上、私が本当にしたいことは何なのだろうかと突きつけられました。

 

自ら置いた環境にストレスを感じながら、ふと浮かび上がってきたのが、大学生のときにしていた豆腐の引き売りのアルバイトの経験でした。

 

それは、1人でリヤカーを引いて都内の住宅街で豆腐などを売り歩くものでした。午前中に都内の拠点に出勤すると、発注した商品をリヤカーに載せて準備し、数十分かけて担当エリアまで移動します。担当エリアに到着すると、ラッパを吹きつつ売り声を出して夕方まで売り歩きます。

氷水に浸した商品などを積んだ数十キロあるリヤカーを引いての坂道の上り下りや、冬の雨の中での移動など、体力的にはとても大変で、商品が売れないときには孤独感も大きいものでした。商品発注も接客も1人でやりますが、働くこと自体初めてで分からないことだらけでした。

 

ですが、私はその仕事がすごく好きだったのです。

 

外を歩くことで天候や季節を肌で感じたり、1人で行うからこそ自分の力で売るという面白さがありました。なにより、毎週通ううちに常連のお客さんができて、訪れるのを喜んでもらえて、私もお客さんに会えるのが嬉しかったのです。

ただ物を売りたいというのではなく、豆腐などを売ることを通じた些細な会話にこそ幸せを感じていました。

 

何かそのときの経験に通ずる仕事がしたいと考えていたところ、現在の仕事へと繋がりました。

 

起業スクールに参加したものの、起業には至りませんでした。ですが、自ら大金を払って他の人を巻き込みながら「起業」に向き合うというストレスが本心に気づかせてくれました。

 

昨日までの日々は勝手にやって来ます。なんとなく過ごしてしまいがちです。そうした中、あえてストレスに身を置くことで、反動として本心が出てくるのではと感じました。